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共済と保険の違いって?

共済と保険の違いってご存じですか?

共済と保険のどちらを選ぶべきなのでしょう。

そもそも共済と保険は何がどう違うのでしょうか?

 

まずは、共済と保険それぞれの特徴を知っておきましょう。 普段何気なく呼んでいる“共済”の正式名称は「共済保険」、今回比較する“保険”とは民間の「生命保険」のことです。 どちらも、加入した人たちがお金を出し合い、加入している誰かがケガをしたり、病気になったりした場合に共済金(保険金)が支払われます。この仕組みのことを「相互扶助」と呼びます。

 

共済保険と生命保険は全く別のものです。 まずは共済保険と生命保険・医療保険の違いについておおまかな部分を比較していきましょう。

 

<共済保険の特徴>

・各共済保険によって、監督官庁と根拠法令が異なる

・加入対象者は組合員とその家族

・主な用語は

 ①掛け金  ②共済金  ③加入者  ④割戻金

・非営利事業

 

共済保険にはいくつもの種類があります。 例えば、「JA共済」や「都道府県民共済」「co-op共済」「全労災」などがあり、これらの共済保険は、それぞれ異なる監督下にあり、守らなければいけない法令も異なります。 例えば、「JA共済」の場合は農林水産省が監督官庁となり、根拠法令は農業協同組合法。 「都道府県民共済」「全労災」などは厚生労働省が監督官庁となり、根拠法令は消費生活協同組合法となっています。 大きな特徴としては、共済保険は非営利事業であることが挙げられます。 利益を出すことを目的とせず、助け合いこそが目的となっています。

 

<生命保険の特徴>

・監督官庁は金融庁、保険業法という法令により規定

・加入対象者は不特定多数

・主な用語は

 ①保険料   ②保険金   ③契約者    ④配当金

・営利事業

 

生命保険は、保険会社が違ってもすべて金融庁の監督下にあり、根拠法令は保険業法です。相互扶助の仕組みは共済と同じですが、助け合いだけでなく、会社として利益を上げる必要があります。

 

<まとめ>

共済保険と生命保険は、リスクに備える商品であるという共通点があります。しかし事業の目的が異なるため、組織や根拠とする法律などの違いがあるのですね。

 

ただし、保険法(保険契約に関する一般的なルールを定めた法律)は、共済保険にも適用されます。

 

保険業法が保険契約者(加入者)ではなく「保険会社に対する業務内容の規制等の監督」について定める法律であるのに対し、保険法は、保険契約者(加入者)の利益確保や義務を定めることを目的として「保険契約の当事者間における契約ルール」について定める法律となっています。

 

次に、それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

 

<共済保険のメリット>

・掛け金が手頃

・決算内容に応じて割戻金が発生する

・健康告知が比較的厳しくない

 

共済保険は利益を出すことを目的としていないので、掛け金を安く設定しています。 保障内容ではなく、販売費や広告費などの経費を削減した結果なので、保障内容が充実したままで掛け金が安いというお得感があります。 また、請求書類の簡素化や現金を用意する手続きの迅速化などの取り組みを行っており、支払いのスピードも早いと言われています。

 

共済保険は、決算で剰余金があれば、「割戻金」として払い込んだ掛け金の一部が加入者に返金されます。必ず戻ってくるというわけではありませんが、共済保険によっては30%前後戻ってくることもあります。一方、生命保険は配当という制度があり、運用実績に応じて配当金を受け取れる商品もありますが、近年は配当付きの商品は非常に少なくなってきています。

 

そして、持病があると保険に加入できるのかが心配になりますが、生命保険に比べて共済保険は加入の審査基準が緩く、生命保険への加入が難しくても共済保険なら加入できるという可能性もあります。

 

<共済保険のデメリット>

・民間保険に比べて保障額が少ない

・保障内容をカスタマイズできない

 

共済保険の保障内容は、民間の生命保険に比べると少ない傾向にあります。 共済保険の場合、共済期間が80歳満了など、終身タイプでない商品が一般的です。そういった商品の場合、高齢になると保障額が減ったり、満了年齢に達すると保障が終了してしまいます。 また、ある程度セットで販売されているものが多いので、民間の生命保険に比べると組み合わせの自由度に限りがあります。

 

<生命保険のメリット>

・豊富な保険商品から自分に合ったものを選びやすい

・セーフティーネットがある

 

民間の保険会社の生命保険は、商品や保障の種類が豊富にあります。 特約で特定の病気に対してピンポイントに備える、子どもが大学を卒業するまでは高い保険金額を設定するなど、多くの選択肢があります。 この部分の保障は少なくて良いからこちらは手厚い保障を用意したいなど、自身にとって必要な部分、不要な部分を考慮してカスタマイズできる自由度が高くなっています。 また、販売員が定期的に自宅や職場へ来てくれるなど、サポートが充実している商品もあります。

 

そして、国内の生命保険会社は「生命保険契約者保護機構」に加入しています。これは、万一生命保険会社が破綻した場合に、保険金の支払いに関わる援助などが受けられるというもの。加入していた保険会社が破綻したから保険金をもらえない、というリスクを減らすことができます。

 

<生命保険のデメリット>

・共済と比較すると保険料が割高

・保険料が性別や年齢で変わる

 

生命保険会社は会社として利益を出す必要があります。保険会社の収入源は保険料ですから、利益を出さなくて良い共済保険と比較すると保険料が割高です。 また、年齢や性別によって保険料が変わるので、若いうちは安かったのに年齢が上がるにつれ保険料が負担になるというデメリットもあります。

 

<選び方のポイント>

ポイント1:加入目的を再確認

生命保険と共済保険、または共済保険同士でも特徴が異なるので、必要な保障と加入しようとしている保険の保障内容を一致させることが重要です。 特に、細かく設定されている免責期間については、いつから保証が発生するのか、日帰り入院や再入院の場合の適用等、加入する前によく確認しましょう。

ポイント2:共済保険の保障額で足りるか確認

共済保険の商品は、掛け金がお手頃で比較的小さい保障が多いので、万一の保障や長期の保障が希望どおりの金額なのか、不足していないか、十分に確認しましょう。

ポイント3:共済のメリット・デメリットを確認

共済保険と生命保険と似ている部分もあれば異なる部分もありますので、先に述べたメリット・デメリットをよく理解し、思い違いのないよう注意しましょう。

 

<まとめ>

共済保険と生命保険のどちらを選ぶべきか考えた場合、共済には共済のよさ、保険には保険のよさがあるといえます。 共済保険の最大のメリットは掛金の安さ、それに対し、生命保険・医療保険のメリットは保障設定の自由度が高いというところだと思います。 その点を理解したうえで自身に適した方をチョイスする、もしくは、両方に加入してデメリットをカバーし合うというのも賢い方法です。

 

事故や入院、死亡といった、もしものときに私たちを助けてくれるのが保険です。 しかし、「安心のために」と加入し過ぎると、保険料の負担が大きくなります。

 

共済保険と生命保険は、似て非なるものです。 最終的に求めているのが「一定額、一定期間の安心」なのか、「内容、保障の充実」なのか。 そこを見極めることで、どちらを選ぶか、もしくは併用するかの答えが見えてくるはずです。 共済保険と生命保険どちらがいいというものではなく、特徴に応じて自分に合ったものを選ぶことが大切です。家族ともよく話し合い、よりよい選択をしてください。 共済と保険をうまく組み合わせて、安心できる備えを確保してみるのもよいのではないでしょうか。